世界中の多くのマッサージは、独自の個性を持ち、施設の雰囲気やアプローチも様々なので、自分が何を求めているのかを事前に明確にしておくことが大切です。マッサージには、主に2つの効果が期待できます。
- 心身のリラクゼーション
- 身体の不調を和らげる
基本的にマッサージの共通の目的は、心身を癒すことです。しかし、実は施術内容によっては、痛みを感じるマッサージや、リラクゼーションはできても中身が十分でないマッサージもあります。
リラクゼーションを重視したマッサージを希望される方には、オイルセラピーやストーンセラピーなど、刺激の少ない施術がおすすめです。また、お店の雰囲気がおしゃれでリラックスできるかどうかも、お店を選ぶ基準のひとつです。
一方、疲れた体をいたわりたい、運動後の不快感を解消したいという人は、スウェーデン式マッサージや台湾式リフレクソロジーなど、ある程度体に刺激を与えるマッサージの方が心地よく感じられる傾向があります。
自分に合ったマッサージを選ぶには、目的、施術方法、痛みの有無などを考慮する必要があります。
マッサージを受けるとどんな効果が期待できますか?
多くのマッサージは、新陳代謝の促進や筋肉の緊張をほぐすなど、体への刺激的な作用を指しています。具体的には、肩こりや腰痛の緩和、生理痛や不眠、冷えやむくみへの作用、免疫力アップや自律神経の調整などが期待できます。
マッサージの特性によって効果が異なるため、集中的なケアが必要な部位がある場合は、本格的な治療を受ける前にホームワークを行うことが推奨されています。
代表的なマッサージの技法と身体への働きかけ方
マッサージのポイントは、手を使うことと、オイルや石などの補助具を使うことです。ここで紹介するマッサージでは、次の3つのモダリティを基本として、身体に刺激を与える方法をとっています。
- リンパの流れに沿う。
リンパ系に滞留した組織からの体液の流れを阻害しないようにすることで、リンパ節から老廃物を押し出し、むくみの解消や血流の改善と連動して体の調子を整える施術です。
- 指圧のポイント
全身に張り巡らされた300以上のツボを的確に圧迫することで、内臓をはじめとする全身の不調に働きかける東洋の健康法。
- 反射区を揉みほぐす
足の裏や手のひらに集中する体内組織の末梢神経を表面として揉みほぐし、特定の器官の問題にアプローチする方法です。ツボ押しよりも広範囲で、各組織に反射区があるのが特徴です。
一般的にマッサージは全身を対象としたメニューが人気ですが、ツボや反射区を刺激することで、「胃の不調」や「眼精疲労」など特定の症状に対して効果的な治療となることがあります。
タイ古式マッサージ
無形文化遺産に指定されているタイ古式マッサージは、全身の筋肉に働きかける技法です。身体のエネルギーの流れに沿って筋肉をほぐし、疲れた身体の治癒力を高めて自然な状態に戻す伝統医療として、古くから受け継がれてきました。

アクロバティックな癒しの印象を与えるかもしれませんが、その動きはゆったりとしたリズムで体を伸ばす形がほとんどです。体が急に動くことはなく、ほとんどの場合、痛みを伴わない。体が硬いほど、体内の滞った血流を刺激しやすいので、効果を実感しやすい。
インドネシア バリニーズマッサージ
17世紀から王室の女性の美容法として流通していたアロマオイルを使った全身マッサージです。手のひらでゆっくり、力強く、親指を使って全身のリンパの流れを促し、コリやむくみを解消するマッサージです。

インドネシア産のココナッツやプラムなどの天然オイルを使用し、心身ともに深いリラクゼーションをもたらします。通常のオイルマッサージよりも強い力が必要なため、本格的なマッサージとリラクゼーションをバランスよく楽しみたい方におすすめです。
インド アーユルヴェーダマッサージ
インドの伝統医学であるアーユルヴェーダは、身体だけでなく、心や行動、環境などの要素も重視し、心と身体を健康に導くマッサージです。
アーユルヴェーダマッサージでは、主に加熱した天然ハーブオイルを使用する「アビヤンガ」と呼ばれる施術が最もポピュラーです。オイルは全身にまんべんなく塗られ、痛みを伴わないため、心地よいリラックス感を得られるのが特徴です。
頭など特定の部位にオイルを塗布する「シロダーラ」は、自律神経の働きをスムーズにし、睡眠時の鎮静効果も期待できる。若い女性や、仕事や思考による脳の疲れを癒したい方に人気です。
台湾リフレクソロジー

足の裏にある83の反射区を刺激することで、全身に働きかける治療法です。老廃物が多く溜まっていると痛みを感じる人もいますが、慣れると心地よい感覚になります。一時的なリラクゼーションだけでなく、身体の不調の根本的な原因に働きかけることができるのです。
台湾では医療代替療法として広く認知されており、しっかりと体を刺激することで、内臓や筋肉、体の各部位など、全身のバランスを整えていきます。オイルを使ったマッサージに比べ、比較的リーズナブルで、継続しやすいセラピーです。
中国 あんま

日本ではよく知られている手技療法ですが、あん摩は古代中国から伝わりました。基本的には道具を使わず、手のひらで患部を常に同じ方向に撫でたり揉んだりして行います。
中国では医療行為として、「推拿(すいな)」と呼ばれています。服を着たまま行うので、着替えの必要がありません。推拿は肩こり、腰痛、冷え性などに効果があり、血流のバランスを整える効果もあります。
日本 指圧
指圧は、国家資格を持つあん摩マッサージ指圧師が、親指と手のひらで行う世界的に有名な日本のマッサージです。指圧は、国家資格を持つあん摩マッサージ指圧師によって、親指と手のひらで行われます。
中国のあん摩と様々な技術を融合させたもので、体の反射区を利用するため、台湾のリフレクソロジーと似ています。皮膚、骨格、筋肉、血行などに働きかけ、特に腰痛、肩こり、神経痛、生理痛などの症状を緩和する効果が期待でき、リラックス効果もあります。
まとめ
世界に代表されるマッサージを紹介しました。日本で受けられるマッサージも多く、仕事帰りに行って日頃の疲れを癒したり、日本旅行の際に母国で体験するのもおすすめです。
マッサージを十分に理解した上で、後悔しないように、利用目的や効果などを考えて慎重に選ぶことが大切です。特別なリラックスタイムを有意義に過ごすためにも、自分に合ったマッサージを見つけたいものですね。
日頃からマッサージを日常に取り入れたり、頑張ったご褒美に使ったりして、心と体をケアしていきましょう。
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